カビ検査・調査完全ガイド|費用・種類・結果の見方を専門家が解説
結論:カビ検査は「目に見えないカビ汚染を数値で可視化する」ための調査です。空気中のカビ量を調べる浮遊菌・落下菌検査、室内外を比較するI/O比、建材の水分を測る含水率調査を組み合わせ、汚染の有無・原因・範囲を客観的に判断します。費用は簡易なもので1箇所数千円〜、本格的な調査で数万円が目安です。「掃除しても再発する」「カビ臭いのに発生源が不明」「健康影響が心配」なケースでは、やみくもに掃除する前の検査が結果的に近道になります。
カビ検査でわかること・わからないこと
カビは目に見える黒ずみだけが問題ではありません。空気中に漂う胞子や、壁の内部・床下で進行する汚染は、見た目では判断できません。カビ検査はこれらを数値で捉えるための手段です。
検査でわかること:
- 空気中にカビ胞子がどれだけ浮遊しているか(汚染レベル)
- その部屋のカビが「外から入ったもの」か「室内で増えたもの」か
- 壁・床材が乾いているか、カビが増える水分状態か
- どの種類のカビが優占しているか(アレルギー・健康影響の評価材料)
検査でわからないこと:検査は「今この場所の状態」を示すもので、将来カビが生えないことを保証するものではありません。また写真だけの遠隔判断では正確な汚染度は測れません。
この章の結論:カビ検査は「見えない汚染の有無・原因・範囲」を客観化する道具です。
主なカビ検査の種類
浮遊菌検査(エアサンプラー法)
専用のエアサンプラー(吸引装置)で一定量の空気を培地に吹き付け、培養してコロニー数を数えます。空気中に実際に浮遊しているカビ量を定量できるため、居住空間の汚染評価に最も適しています。詳しくは落下菌法と浮遊菌法の違いで解説しています。
落下菌検査(落下法)
培地を一定時間開放し、自然に落ちてくるカビを培養する簡易法です。機器が不要で手軽ですが、粒子の大きいカビが検出されやすいなど定量性に限界があります。スクリーニング(当たりをつける)用途に向きます。
含水率調査
木材や石膏ボードなどの建材に含まれる水分量を、含水率計で測定します。カビが増殖するのは概ね含水率が高い状態です。「なぜカビが生えるのか」という原因側を突き止めるための調査で、結露・漏水の発見に直結します。
付着菌検査
カビが疑われる表面をぬぐって培養し、実際にそこにカビがいるか・種類は何かを調べます。
真菌同定・顕微鏡観察
採取したカビの種類を顕微鏡で特定します。アレルゲンとなる種類か、健康影響の大きい種類かの評価材料になります。当社の同定の様子は顕微鏡によるカビ同定で紹介しています。
この章の結論:空気の汚染は浮遊菌検査、原因の特定は含水率調査、が二本柱です。
I/O比とは——検査結果を読む鍵
浮遊菌検査で最も重要な指標がI/O比(Indoor/Outdoor ratio)です。室内(Indoor)と屋外(Outdoor)のカビ濃度の比率を指します。カビ胞子はもともと屋外に多く存在し、換気で室内にも入ってきます。そのため「室内にカビがある=異常」ではありません。
- I/O比が1より小さい:室内は屋外より汚染が少なく、正常な状態
- I/O比が1を大きく超える:室内でカビが増殖している可能性が高い=室内に発生源がある
また屋外と室内で優占するカビの種類が異なる場合も、室内発生源の存在を示します。I/O比の詳しい判定基準はI/O比とはで解説しています。
この章の結論:室内のカビ数値は、屋外と比べて初めて意味を持ちます。単独の数値だけでは汚染は判断できません。
カビ検査の費用相場
| 検査種類 | 費用の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 落下菌検査(簡易) | 1箇所 数千円〜 | まず汚染の当たりをつけたい |
| 浮遊菌検査(室内外セット) | 1万円台〜数万円 | 居住空間の汚染度を正確に知りたい |
| 含水率調査 | 調査範囲による | 結露・漏水など原因を特定したい |
| 真菌同定 | 検体数による | カビの種類・健康影響を評価したい |
費用は建物の規模・調査範囲・組み合わせによって変わります。現地調査とセットで見積もりを取るのが確実です。カビ取り工事全体の費用感はカビ取り業者の費用相場を参照してください。
カビ検査が必要なケース
- 掃除してもカビが再発する——見えない発生源や水分供給源が残っている可能性
- カビ臭いのに発生場所が見つからない——壁内・床下・天井裏の汚染が疑われる
- 家族に咳・鼻炎・喘息などの症状がある——住環境の関与を確認する材料に
- リフォーム・引き渡し前後で状態を確認したい——施工の前後で数値を比較
- 賃貸・売買でカビの有無を客観的に示したい——第三者的な記録として
健康症状が続く場合は、住環境の確認と並行して医療機関へご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりとなるものではありません。
検査結果の見方と、その後の流れ
検査後は「汚染レベル」「発生源の推定」「原因(水分の出どころ)」が報告されます。重要なのは、検査は目的ではなく正しい対処を選ぶための入口だということです。含水率が高ければ結露・漏水対策が、浮遊菌が多ければ発生源の除去と再発防止が必要になります。当社の実際の検査事例はカビ菌検査の施工事例で公開しています。
よくある質問
Q. カビ検査は必ず必要ですか?
いいえ。表面の軽度なカビで原因が明らかな場合は、検査なしで対処できます。検査が有効なのは「見えない・再発する・原因不明」のケースです。
Q. 自分でカビ検査キットを使えますか?
市販の落下菌キットもありますが、I/O比の評価や含水率調査、種類の同定には専門機器と知識が必要です。判断材料としては専門調査が確実です。
Q. 検査だけの依頼もできますか?
可能です。工事を前提とせず、現状把握のための検査のみのご依頼も承っています。
Q. 結果が出るまでどれくらいかかりますか?
培養を伴う検査は、カビを育てる時間が必要なため数日〜1週間程度かかります。含水率調査はその場で数値が出ます。
まとめ
カビ検査は、見えないカビ汚染を数値で可視化し、正しい対処につなげるための調査です。浮遊菌・落下菌検査で汚染度を、I/O比で室内発生源の有無を、含水率調査で原因を突き止めます。「掃除しても再発する」「カビ臭いのに場所がわからない」という段階まで来たら、検査を挟むことが結果的に無駄な工事や再発を防ぎます。まずは無料カビ発生リスク診断で、検査が必要な状況かどうかを確認してみてください。
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この記事の監修者
世良 秀雄株式会社せら 代表
MIST工法®開発者。創業30年・全国22拠点・年間施工3,000件以上の実績をもつカビ取りの専門家。
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